もう少し血の通った健康情報。

「本当の味」をまずいと感じる現代人が急増中

スーパーの棚にところせましと並ぷ「~の素」「~のたれ」の類い。一体何種類ぐらいあるのだろう。粉末、液体、レトルト、瓶詰、缶詰など種類も豊富。

食卓に並ぶ料理の大抵は、これら「〜の素」「〜のたれ」などを使用すれば失敗なく、簡単につくれるようになった。しかし、これら「~の素」「~のたれ」を家庭で利用しすぎると、正常な味覚がはたらかなくなるという少々怖い報告がなされている。

これら「~のたれ」には、大量の旨味調味料が含まれている。これらの調味料は素材の持つ本来の味を消してしまうことがある。たれの味がメインになってしまうのだ。家庭でする焼肉を思い出してほしい。ほとんどの家庭で「焼き肉のたれ」などの調味料を使用しているだろう。そのたれにドップリと肉をつけて食べるから、肉の味はわからなくなる。たれのついていない本当の肉の味を「まずい」「味がない」と感じてしまう。

肉そのものの旨みを味わうというよりも、焼肉のたれを味わっているという状態の家庭が急増中有。市販の「~のたれ」「~の素」には大量の化学調味料が含まれている。この化学調味料は、近年旨味調味料ともよばれ、昆布、鰹節などの天然の旨味成分を化学的に合成したものである。

だから、これらのたれだけでも十分旨味が感じられるようになっているのだ。素材の味は二の次になってしまっている。子供の頃からこのような状態に慣れてしまうと、たれのないただの焼肉では物足りなくなって、おいしく感じなくなってしまうのである。同じようなことはサラダのドレッシングなどにもいえる。これは広い意味での味覚異常でもある。味覚が異常になることと、化学調味料や「~のたれ」「~の素」との科学的な因果関係はまだ立証されていない。

しかし、味覚異常にこれらの市販品が何らかの形で関係していることは十分考えられる。理由はこうだ。人はいったん、濃い味に慣れてしまうと、薄味では旨味を感じなくなってしまうのだ。小さい頃から濃い味に慣れてしまえば、味の薄い野菜や、味付けをしていない肉においしさを感じなくなってしまう。

市販品は、ものによって調味料が何種類もブレンドされていたりして、どうしても味が濃くなりがちだ。近ごろでは、瓶詰や缶詰のベビーフードの種類が増え、それを利用するお母さん方も多い。しかし、気をつけてほしい。これらのベビーフードにも化学調味料は使われている。本物の素材に含まれる旨味成分を苦労して生かすより、大量生産が可能で圧倒的に安価な化学調味料に頼るほうが簡単だからだ。赤ちゃんの頃からこれらの化学調味料の味に慣れてしまうと、将来的に味覚異常が生じないとも限らない。味覚の形成には幼児期の経験が大きく影響するというから親の責任は重い。これらの「〜のたれ」「〜の素」などは、実は比較的簡単に家庭で手づくりできるものなのだ。醤油や味噌、ショウガ、ニンニク、タカノツメ、日本酒、ミリン、砂糖などを利用すればよい。むかしと違って冷蔵庫があるのだから、ある程度の保存もきく。食事を用意する人も忙しいのだから、市販品の使用を全く否定することはないが、その家の家庭の味を守る意味でも、手づくりをするように心掛けたいものだ。

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